【作業療法士が解説】子供の健やかな成長に欠かせない「裸足」の大切さとは?
赤ちゃんは裸足で生活することが大切といわれています。しかし外は危険がたくさん。靴を履かせて歩かせる必要があります。そんなときでも「裸足に近い感覚」で歩けるのがアティパスです。
しかし「裸足ってそんなに重要?」「普通の靴はダメなの?」と気になるパパママも多いでしょう。そこで今回は、スペインで作業療法士として働くMapi Ruiz先生とSilvia Navarro先生にお話を伺いました。
児童発達センターの所長も務めるお二人から、子供の健やかな成長に欠かせない"裸足"の重要性について詳しく解説していただきました。
感覚統合モデルから見る子供の発達
エアーズ博士の*感覚統合モデルによると、全ての発達は学習ピラミッドに基づいています。その基礎となるのは7つの感覚システム。
私たちが昔から馴染みのある感覚系である味覚、視覚、聴覚、触覚、嗅覚に加え、非常に重要な2つの感覚システムが「固有受容系」と「前庭系」です。
感覚統合モデルは子供の発達にとってとても重要なため、センティッツ児童発達センター及び感覚統合モデルを扱う全ての作業療法士は、このモデルに焦点を当てて子供たちに介入しています。
これらの感覚システムが安定した基盤を持つことで、認知学習、書く学習、発達などの高度な学習の習得に役立ちます。
*感覚統合モデル:多様な感覚情報をどのように脳が処理して適切な反応を導くかを説明する理論。視覚、聴覚、触覚などの感覚を通して周囲の環境を知り、それに応じた行動を取れるよう感覚情報を上手くまとめていく脳の機能を感覚統合と呼ぶ。
触覚系と前庭系が子供の成長に与える影響とは?
触覚系は、幼児期の発達において重要な役割を果たします。
物体との物理的な接触や新しい体験や発見をリードし、感情の発達や愛着形成にも大きな影響を与えるのです。
一方、前庭系は赤ちゃんが子宮の中にいる時から存在します。
重力や動きに適応し、うまく対応できるようにするための土台となるため、前庭系は発達において重要な機能なんです。
つまり、私たちが行うあらゆる動きには、前庭系の活性化につながっているといえるでしょう。
裸足の代わりになる「アティパス」の魅力
アティパスは非常に興味深い靴だと思います。
なぜなら、あらゆる地面に適応できる柔軟なソールを備えているため、十分な安定性を保ちながら地面の質感や粗さを探索できるからです。
また、自由につま先を扇形に広げられるので、様々な地面を歩くときのバランスと安定性も高められます。
そして滑りにくくグリップ面も備えており、子供が周囲の環境を探索したりハイハイしたり、あらゆる場所を移動できるようにするための安全性もあります。
安全性は、周りの世界を発見するために非常に重要。アティパスを履いてハイハイを始めたり、さまざまな場所を動き回れるようになったりした後の発達にも不可欠です。
そういった意味合いで、アティパスは年少の子供が様々な地面を積極的に探索するのに適しており、 赤ちゃんの足や発達段階に非常によく適応しているといえるでしょう。
私たちは全ての質感や表面を探索することが、何よりも最大限の発達を促進すると考えているので、日々の業務において裸足でいることは非常に重要であると伝えています。
なぜなら、人間はもともと探索するものや触れて感じるものから学習するからです。
裸足で自由に探索を行うことができない場合、例えば保育園にいる時や公園、海へ行く時など、子供の安全性が心配になりそうな場所では、アティパスが裸足の代わりになってくれるでしょう。
アティパスは感覚、触覚、前庭、固有受容系の発達を促進するので、裸足で歩けない時はアティパスがおすすめです。
専門家の先生のご紹介
作業療法士:Mapi Ruiz先生 Silvia Navarro先生
小児期の作業活動への専門的な介入を行う作業療法士。
センティッツ児童発達センターの所長も務める。
神経学的作業療法の公式修士号および小児専門家向けトレーニングコースの講師としても働く。