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【インタビュー】株式会社フットマインド栗林代表が語る「Attipasのよさ」とは

【インタビュー】株式会社フットマインド栗林代表が語る「Attipasのよさ」とは

今回、Attipasは株式会社フットマインド代表取締役栗林薫さんをお迎えしてインタビューを実施。栗林さんは、名古屋を中心に整形靴を専門に取り扱う株式会社フットマインドの代表取締役の傍ら、日本整形靴技術協会の顧問も務める足の専門家です。


この記事では、30年前から強い思い入れを抱いて子ども靴を扱ってきた栗林さんに伺ったAttipasの4つのよさについてまとめました。



足の専門家 栗林代表が考えるAttipasの4つのよさ


足の専門家 栗林代表が考えるAttipasの4つのよさの画像

Attipasのよさ①靴の足型がよい

突然ですが、馬などの動物は生まれた瞬間に立ち上がっていきなり歩き始める一方で、人間は生まれてしばらくは歩けないですよね?なぜだと思いますか?


根本的なことでいうと、人間は二足歩行だからなんです。


人間の足は3歳頃までに骨格が出来上がってきて、小学校に入学する7歳頃で骨格の形成が大人と同じになります。2本の足で立ち上がって足を前に出すという行為はそれだけ時間がかかる特別なことなので、なかなかできないんです。


だから、2本の足で立ち上がって歩くための期間がものすごく重要になる。


ずりばい、ハイハイ、つかまり立ちといった順番が必ずあるので、それを経験してはじめて立ち上がって足が出るようになるんですよ。だから歩き始めるまでの段階を踏むことが大事。


子どもの足は生まれたときのサイズから考えると3倍~3.5倍に成長して、骨の成長はだいたい中学生~高校生くらいには止まるんです。


だけどプロポーションはまったく異なる。たとえば1歳、4歳、12歳とでは、縦横のバランスでいうと足の形は全然違いますよね。


その点で、Attipasの一つ目のよさは靴の木型(靴を製造するときの足型)がとても研究されて作られていることです。


素晴らしいなと思うのは、かかとがものすごく小さいところ。そして、指先部分が広く作られていてつま先を圧迫しない形になっているところです。標準化するならこの形だろうなと思えるような形をしているのがいいですね。


この扇形になっているところが、乳幼児の足の形を本当によく捉えていると思います。


Attipasのよさ②安全性が高い


足の専門家 栗林代表が考えるAttipasの4つの良さの画像

Attipasをいつから履かせるのが良いか?と質問を受けることがありますが、私の見解ではいつからでもいいと思っています。


早くて生後10ヶ月頃からつかまり立ちを始めるので、その頃には履かせておくといいかなと。


裸足ももちろんいいんですが、その頃には安定性や安全性の面を考えるとAttipasを履いていたほうがいいと思いますね。


ベビーカーを押しているお母さんが赤ちゃんを裸足で外出させている様子はヨーロッパではなかなか見ない文化です。日本でも見ないですよね。


公園の芝生の上でハイハイしたり遊具につかまって立ったりするときに裸足にさせるのは危険な場合も。足を保護する面から見てもAttipasを履いておく方が安心ですね。


それと、歩き始めてから歩行が安定する1歳半頃までの子ども靴は、靴底がすごく大事になります。


多くのベビーシューズはソールが硬くて曲がりにくいんですが、それだと転びやすくなる。歩き始めの時期の子どもは、Attipasのようにソールが柔らかい靴じゃないと足が前に出なくなってしまうんです。



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また、Attipasはつま先部分に高さがあるだけではなく、つま先やかかとのラバー部分に保護力があります。


この保護力がとても重要。なぜなら、赤ちゃんのつま先は反っていることが多く爪も柔らかく薄いため、傷ついたり変形したりしやすいからです。ベビーカーに乗せたり抱っこしたりと歩かないときでも、外出するなら履かせた方がよいでしょう。


さらにAttipasはソールが硬くないため、赤ちゃん自身の足を守るだけではなく他人の足も傷つけにくいのが特徴。


保育園や幼稚園の上履きとしてソールの硬い靴を勧めているケースがあるのですが、そういった靴を履いた子どもが他の子の手や足を踏んでしまった場合、ケガにつながる危険性があります。


その点、Attipasは安全性が高くてケガや事故につながりにくい。さらに、足が冷えないし遊びやすくて動きやすいので、上履きにすごく向いていると思いますよ。


Attipasのよさ③子どもの足裏の感覚や指先の動きを阻害しない


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Attipasの三つ目のよさは、子どもの足裏の感覚や指先の動きを阻害しない作りになっていること。


Attipasは薄いソールを採用して、赤ちゃんが地面から足裏で感じ取る刺激を妨げないように作られていますよね。


足の裏にはセンサーがついていて、感覚受容器としての機能を持っているんです。

赤ちゃんは立ち上がった瞬間から凸凹や熱い・冷たいなどのさまざまな情報を得ているため、本来は裸足が一番よいと言われています。


ただ、実際に裸足で生活するのは危険が多いため足を保護する靴が必要。しかし赤ちゃんの足裏の感覚を妨げるものは好ましくありません。


そんな「何かを履かないといけない、じゃあ何を履いたらいいの」というときにAttipasはぴったりだといえます。


Attipasは薄くて軽いソールを使い、赤ちゃんにとってよいとされる「裸足」に近い感覚を得られるように作られているのは素晴らしいですね。


Attipasのよさ④靴を履く習慣作りに役立つ


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Attipasの四つ目のよさは、靴を履く習慣作りのサポートができること。


箸を使って食事をするように、外に出る時には靴を履くものだということを習慣づけることが大切です。


いきなり靴を履くのを嫌がる子どもは多いもの。Attipasはしっかりと歩く前の段階から履かせることができるので、子どもを靴に慣れさせるのに役立ちます。


そして、「いざ靴を履いて歩くぞ」というときの準備にもつながっていく。


ベビーカーに乗っているときや抱っこしているときなど、歩かないときでも足を保護しつつ靴を履く習慣作りもできるのがAttipasのよさだと思います。


栗林代表が伝えたい「子供の靴への想いと子供の成長を考えた靴の選び方」


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栗林さんが30年前に感じたカルチャーショックと、子ども靴への想い

創業31年目となりますが、当時から子ども靴には強い思い入れがありました。


その理由は、30年前にドイツやスイス、オランダへ靴事情を調べるために研修に行った際の出来事が印象に残っていたからです。


研修先で衝撃を受けたのが、日本と比べてファーストシューズを含む子ども靴のマーケットが明らかに異なっていたこと。


その違いは「ちゃんと選んでいる」ということです。


親が子どもを靴屋に連れて行って真剣に何度もフィッティングをしている姿を見たのですが、店員との会話の様子は「苦情でも言っているのか?」と思うほど熱いバトルのようだったことを今でも覚えています。


思わず喧嘩をしているのかと勘違いしてしまうほど真剣に選べるのは、親が子どもの足の重要性や、靴に対するベーシックな知識を持っているから。消費者に知識があると売る側はいい加減ではいられないんですよね。


時間と熱意を込めて歩き始めた子どもの一足の靴を選んでいる親の様子に大きな衝撃を受けましたし、研修を通してドイツと日本とでは子どもの足に対する文化の違いがあることを学びました。


その後日本に戻ってすぐにドイツ製の靴を取り寄せて、コーナーを作って子ども靴を販売するようになりました。決して効率の良い売り場ではないものの、今も変わらず当時の想いを大事にして本店に子ども靴のコーナーを設置しています。


30年お店を続ける中で、フットマインドでファーストシューズを買ったよちよち歩きの女の子がママとして来店するといったことが多い。そういったことがあると、子ども靴をやっていてよかったなと思います。


足の成長はきちんと段階を踏んだほうがいい


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病院で働いているなかで、ときどき早く立たせた子どもの足首が曲がっていたり偏平足が進んでいたりするケースを目にします。


これはサークルの中に赤ちゃんを入れることが原因で、最近はハイハイの期間を経ずに立ち上がる子どもがいるんです。サークルで囲うと、本当はまだ赤ちゃんが立てないのに立たせてしまう可能性がある。


そのときの子どもの足元は、外反偏平足という内側に倒れた状態でねじ曲がっていて、サークルに寄り掛かるため足も出てしまう。


生まれてから立ち上がるまでにはハイハイなどの期間も必要であるにもかかわらず、「サークルを使う」という外的な要因が加わると、本来踏まなきゃいけないステップを踏めない可能性がでてきます。


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トラブルが出てくるタイミングとしては、子どもが3歳くらいのときに来る親御さんがすごく多いです。


保育園に行ったら、保育士さんから「お子さんの歩き方が少し変じゃないか?」って心配されたとか、保健所の乳幼児健診で言われたとか。


あとは、子どものことを勉強している親御さんが「うちの子ちょっとおかしくないですか?」って来ることも。もちろんそれが杞憂に終わることもあって、病院に来る子ども全員に治療が必要なわけではありません。


ですが、これまでの経験から早く歩いた子どもにトラブルが多い傾向があるため、ハイハイをしてつかまり立ちをする、という踏むべきステップを踏むことが大切といえます。


Attipasを卒業したあとの靴選び


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Attipasを卒業したあとは、子どもの足の機能性を高める靴を選ぶのが重要です。


例えば、ランニングをするときに厚底のランニングシューズを履くのは運動性を高めるのが目的。裸足よりも足が疲れずに早く走れるからランニングシューズを履きますよね。


靴が人間の能力を高める働きをするのは子ども靴であっても同じ。

Attipasを卒業したら靴底に厚みがあったり足が固定されたりする靴を履かせて、機能性を高めることが重要です。また、正しい成長を阻害しないことも大切。


例えば足がまだ完成していない時期は、後足部と呼ばれるかかと周りが軟骨になっているためちょっとしたことで衝撃を受けやすくなっています。


そのため外的要因を受けづらくするために、足首を固定できるくるぶしまである靴を履くのが望ましいでしょう。


そして、運動活動量が増えてくるようになったらかかと周りの骨がしっかりしてくるため、必要以上に固定すると運動性を阻害して正しい発育を邪魔してしまいます。そのため、運動の機能性を高める靴に変えていくとよいですね。


このように、子どもの靴は正しい発育をサポートするものとして年齢や成長にあわせて選んでいくことが大切です。


正しい発育に必要な靴とは、子どもの状態に合う機能を備えつつ成長を阻害しないものといえます。


栗林薫さんプロフィール

栗林薫さんプロフィール

1962年 名古屋市生まれ
1985年 明治大学政治経済学部卒業
     大手広告代理店勤務を経て
1992年 名古屋にてフットマインド創業 昨年には創業30年を迎える


2023年現在、名古屋市内に路面店舗2店舗。百貨店内に4店舗、計6店舗を運営。

医療機関との連携を積極的に行い、医療の場に整形靴技術をいち早く持ち込んだ。

創業当時よりドイツにて整形靴技術を学び、自社内における教育の傍らで業界の発展に努める。

2016年より日本整形靴技術協会の会長(現在は顧問)として海外との交流の場において国内の窓口を務める。